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ナイロン100℃「男性の好きなスポーツ」

9月11日(土)
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ナイロンの、「男性の好きなスポーツ」。
気になってはいたが、自分の公演もあり無理かな、と思っていたが、ここに来てどうしても観たくなる。当日券狙いで2時間前に本多劇場へ。なんと一番のり。おお!
しかし何もたべずに来てしまったので、どうしても空腹に耐えかねて、アンゼリカのカレーパンを買いに行く。戻ってくると、前に二人ほど並んでいた。

ケラさんの戯曲はほんとに面白い。
岸田戯曲賞をとった「フローズンビーチ」、結構影響された「室温」、「ウチハソバヤジャナイ」そのほか、読むたびにその洗練されたナンセンスギャグに圧倒される。
今回は「エロエロ」と聞いていたので、舞台上にギャグとして展開するのにこの上なく難しい「エロス」という題材に、ケラさんがどのように取り組むのか、これはなんとしても見たい!

余談だが、その話をこの間のプチ打ち上げで役者としていたら、
役者「ナイロンの今度の舞台、超エッチで面白いらしいですよ。」
ash「ああ、知ってる知ってる。見たいと思っててさ。」
役者「そう言うと思った。ashleycatさん、演出エロいですもんね。」
ash「・・・」
卒塔婆演出は確かに少しエロかったかもしれないが、それはないだろ、それは。。。
私はエロスを抽象化して舞台上にのせるのは好きだが、リアルにエロを描かれるのは少し苦手だ。もともと性行為というもの自体が、言葉にした時点である種の馬鹿馬鹿しさを伴うものであり、舞台に乗せた時、それがホンモノに見えれば見えるほど決定的にリアリティを失うからだ。(何を力説しているんだか。)

そんなわけで、ケラさんがどんな話を書き、どんな演出をしているのかはとても興味があった。出演者はいつものナイロン陣に加え京晋祐や長谷川朝晴、目立つところで「牡丹と薔薇」の小沢真珠など。

しかし、うまいなあ。
この難しい題材が、本当にばかばかしく、時に真剣に、笑いとともに胸に落ちてくる。
女性には優しく、男性には(おそらく)胸を突くような、そんな台詞が満載で、3時間を越える上演が長く感じられない。人間とはこういうもの、愛だの、愛だの、愛だの言っても所詮は男と女が存在する限り、根源的にはつながることが重要だ。言葉にしてしまうと陳腐だし、多分それを乗せた舞台はさらに陳腐と評されるかもしれない。しかしそんな評価をものともしない、ケラの確信犯的な試みは、見事に成功しているようだ。

ロマンティカの官能的なダンスが頭から離れない。
通路席で座布団はかなりきつかったが、見てよかったと思おう。
(写真は思わず手にとってしまったパンフ。写真集が美しいのだよ。。。)
by uronna | 2004-09-12 00:37 | 劇評、書評、映画評

復活。


by kawasaki Alice