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次のステップ。

演劇部のみんなは、戯曲エクスプローリング・エチュード中。


それぞれが選んで来た戯曲の探求をして、
一番好きなシーンを選んで演じてみる。

10分程度に仕上げるので、どこを選ぶと一番良いのか、
その戯曲の「粋」となる部分を切り取ること。

何を見せたいのかを明確にすること。

二人で行うので、相手役の演技をしっかり見ること。


チーム:星組
メンバー:わかし&ショバシ君
戯曲:近代能楽集より『綾の鼓』(三島由紀夫)


チーム:月組
メンバー:こっこ&ちゅうた
戯曲:『王女メデイア』(エウリピデス)


チーム:花組
メンバー:まりん&みゃー
戯曲:『十二夜』(シェイクスピア)


チーム:宙組
メンバー:しおりん&茶々
戯曲:『人形の家』(イプセン)


チーム:雪組
メンバー:くらら&マナふぃ
戯曲:『絵のない絵本』(アンデルセン)


※チーム名が某歌劇団風なのにはそれほど意味はありませんw


古典戯曲が2つ、近代より2つ(和洋両方出ているのがいいですね)。演劇史的にバランスのいい選択になりました。何にも言ってないのに、みんなすごいね。
じゃあ、以下になんとなくエチュードのポイントを。


『メデイア』と『人形の家』は言っちゃえば両方とも「夫婦喧嘩」の話ですね。古代の夫婦喧嘩と、近代の夫婦喧嘩を比較して、「愛憎」の扱われ方を比べちゃったりできますね。

『メデイア』は言葉は難しいけれど、内容はシンプルです。ふだんやっている訓練がどうして必要なのか、を身体を通して理解することができるでしょう。発表は、どの部分が「劇的」であるかを理解して、シーンを選ぶのがポイントになるでしょう。こっことちゅうた、という異色の組み合わせでどこを演じたら面白いのか、二人だけで煮詰まったらメデイア大好きなマナふぃに助言を仰いでみてもいいかもしれませんね。

『人形の家』は、「ことば」との距離の取り方が一番難しいかもしれません。ノーラの、夫に対する感情がどのように動いていくのか…全体の流れをよく理解した上でワンシーン選びましょう。感情、という目にみえないモノを、台詞に「込める」のではなく、身体に「乗せる」方法を少しでも習得してくれると一歩前進します。しおりんは前作でかなり成長したので、その分経験の浅い茶々を引っ張ってあげてください。

『綾の鼓』は男子二人で演じるところがポイントになるかな。三島作品の多くがそうであるように、男と女の永遠に交わらない愛への憧れ、幻想がテーマです。「見せ場」はどこなのかをきちんと掴んで、わかしは去年の『卒塔婆小町』でも経験済みだと思いますが、三島の作り出す美しい流麗な日本語の語感を楽しみながら発声しましょう。鼓ってのはパーカッションの一種なので、ちゅうたに少し見てもらうのもいいかもしれませんね。(彼に余裕があればですが^^)

『十二夜』は、昨年『夏の夜の夢』をやったまりんと、新人のみゃーの組み合わせ。まりんは今一度、みゃーは初めてのシェイクスピアの台詞を楽しむつもりで、喜劇の構造を探求してみてください。みゃーの「古典はカタイ」と思っていたその概念がふきとんでくれるといいけれど。シェイクスピア喜劇の登場人物達の滑稽さは、日本の和歌と同様に、古いものでも人間の心や行動って変わってないんだなって思わせてくれるでしょう。これも、どこのシーンを選ぶかが重要になりますね。

戯曲になっていない『絵のない絵本』は、短い物語の集まりだから、一つ選べば完結した物語が作れるのが魅力ですね。逆に完結させなければいけないので、完成度の高いものを期待されるかも。戯曲にはなっていませんが、劇的な物語が多いのでよく上演されています。作者であるアンデルセンの言葉を選びながら、演技だけではなく「見せ方」というものにも気を配ってみてください。演出力も身に付く一作だと思います。


海外の戯曲を選んだ人は、その国の風土や文化なども少し意識してみましょう。
日本のものを選んだ人は、日本の「美」を再発見してみてください。


では以上、6月の発表までがんばって練習しましょう!

Ash
by uronna | 2011-05-20 11:15 | 舞台のおはなし

復活。


by kawasaki Alice