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入魂の一作:罪と罰

17日に見た、『罪と罰』の感想。

ざっくりと。


身体的パワーのすごさを感じる。
クナウカの役者陣はもちろん、それ以外の人も身体鍛錬のレベルは尋常じゃない。
知っている人がたくさん出ていたので、誰からチケットを買うか迷うが、DMをくれた元SPACの役者さんから買うことに。

罪と罰、
芝居でやって面白いのだろうか。という疑問がある。
演出家だったら、食指を動かされる要素は多分にあるけれど、それに簡単にのってはいけないのかな、とも思う。
でも、この稲川さんという人、3年がかりでこの舞台の上演にこぎつけたんだって。それを聞くと、内容はどうであろうと見に行かなければいけないな、と思ってしまう。ひとつの題材に、そこまで執着できるというのはひとつの才能かもしれないと思うからだ。

もちろん、時間をかけさえすればいいものができる、とは思わない。
自分は短期決戦型で、今までの人生、受験も仕事もそうやって乗り切ってくることが多かった。長い時間を与えられると却ってもてあましてろくな使い方をしないのである。だけど、短期決戦だけでは戦えないことがあるというのも最近になって痛感している。
時間をかけて、じっくりひとつの題材ととりくむ。そんなことが、ちょっとできるようになりたいと思う今日この頃である。

作品は、まさに熱のこもった『情念』の一作だった。
正直それほど面白いとは思わなかったが(ごめんなさい)、でも、文句のつけようがないくらいの「情熱」を感じた。人の熱意、というのは、見る価値があるものなのかもしれないと思った。

非日常を作り出すのにとても便利な、衣装、仮面の使い方は、さすがもとクナウカの人、というくらい上手。でも、照明はかなり、「え?」という使い方だった気がした。せっかくの超越した雰囲気をいっきにさめさせてしまう後光は、もったいない。

あとは、多くを語れない。善し悪しをいい難いところは、師匠譲りなのだろう。(笑)
ひとつだけ言えるとすれば、手をまったく抜かないで作られた芝居というのはそうそう見られない。
気持ちのいい、これは作品だったと思う。
by uronna | 2005-12-20 00:26 | 劇評、書評、映画評

復活。


by kawasaki Alice