パスカル・ランベール 「愛の始まり」

こまばアゴラ劇場にて

白いだけの空間、
中央にスタイリッシュなバイク、
天井に配列された蛍光灯と、その配電線が無数に、ひとたぐり分ほど垂れ下がる。

役者二人、
パスカルとその恋人の愛が始まった瞬間の、はじまりとおわりの言葉群。

端正かつ濃厚。

フランス人らしさ、というものを考えずにはいられない。
愛を語るのに、フランス語ほどしっくりくる言語はないのかもしれない、ということも。

今回は青年団の役者ふたりがもとはフランス語のこの戯曲に挑んでいるわけだが、日本語で語られるその台詞には微妙に、違和感を覚える。
役者が下手なわけではなく、おそらく演出の問題。
日仏学院で見たパスカルの過去の作品の映像で見せられたリアルなパワーのようなものが消えて、かわりに「愛」というタイトルの絵画を見せられた感じ。

裸になるか、ならないかということが問題ではなかったような気がする。
戯曲の面白さは、疑い得ないものなんだが、この「私小説、ならぬ私戯曲」を本人が日本人を使って演出する、というところに、もうほんのちょっとだけ警戒をして欲しかったような。

挿入歌のように使われている歌も、三回めくらいからToo muchに響く。
やたら耳にのこる美しいメロディが、いつまでも悩ましい。

パスカルのほかの作品を、フランス語の上演でみてみたいものだった。
やはりジュヌヴィリエ国立演劇センターまで、足を運ばなければならないだろうか…。

パスカル・ランベールWebサイト
ジュヌヴィリエ国立演劇センターWebサイト:
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by uronna | 2007-06-08 01:32 | 劇評、書評、映画評

復活。


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