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停滞前線を突き抜けたい

8月27日(金)

今日は、朝からライティング関係(あ、照明じゃなくてwritingね。私の場合。。。)で人に会うことになっていたために、どうしても稽古を遅刻せねばならず、年長の役者で演出経験もある方に稽古を一存していた。

稽古場入りは2時半。
役者たちは12時半から稽古を始めているから、2時間の遅刻である。
演出家であろうと誰であろうと、稽古場に遅れて入るのは気後れするもの。わざと裏口にまわって着替えてから登場する。演出家は自分の登場シーンもセルフプロデュースなのさ。(なんだそりゃ)

公園から鹿鳴館のシーンに移り変わるところ。
本来はワルツを踊りながら人々が登場し、80年前の小町と深草がクローズアップされてくるシーンだが、ここはディスコ(クラブじゃなくて)「Rock may or can?」ということで、ひたすら俗悪な踊りを踊ってもらうことになっている。(ネーミングもいかにも「まあ、俗悪だわ」と小町に言われそうだが。)私がついたころには、いい具合に形になっていた。しかしそれに私が注文を加えはじめると、いつものディスカッションが始まってしまい、今日は結局それだけになってしまう。

稽古場ではあまり発言しない役者が稽古後に対話を求めてきた。
稽古場の閉塞感について。
なぜすぐにディスカッションになってしまうのか。
何か疑問が生じたら、やってみれば良いのではないのか?そうすれば空気が動いて、また新たな演出プランが生まれるかもしれないではないか。

それには、私は大いに賛成、
だがそれにも、反対意見が出る。「何を目的に動けば良いのか、悩んでとまっているのに、むりに動けと言われてもできない」

誰かがああ言うと、こう言う。
こう言うと、ああ言う。
本当に、ディスカッションの好きなグループだ。
これは悪いことではないと思う。だが、短期間で芝居を作り上げなければいけない時には、テンポの良い稽古が何より必要なのではないか。私は基本的なそのスタンスを忘れ、役者と解釈や目的意識を共有することばかり考えていたのではないだろうか。

舞台の上で役者同士が、火花を散らす様をみたい。

それは、繰り返し稽古をすることによって得られるもので、舞台を降りての話し合いからは得られない。
稽古場の問題は、稽古場で。舞台の問題は、舞台の上でしか解決できない、という基本原則を私は忘れていたのかもしれない。

色々なやり方があるが、明日は徹底的に一つのシーンを繰り返し、繰り返しやってみようと思う。それによって生まれる化学反応を、私は学会に発表する研究者のつもりで記録し、気流を起こさせ、停滞している空気を破ろう。

役者だけじゃない。私自身も殻を破らなければいけない。
by uronna | 2004-08-27 20:04 | 舞台のおはなし

復活。


by kawasaki Alice