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ソラソバ学習帳

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「なにわバタフライ」

12月30日(木)
 本年の芝居見納めは、三谷幸喜作演出、戸田恵子主演の「なにわバタフライ」でした。

 こんなに芝居を観た年もなかったんじゃないかと思う。
だいたい、私は創り手なのに劇評なんか書いている場合なのだろうかと思うときもあったが、別に創り手の視点から書いた劇評があってもいいじゃないか、という勝手な開き直りから書き始めたんだったなあ、となんとなくしみじみ。しているのは別に年末だからではなく、ミヤコ蝶々の自伝を一人芝居にした「なにわバタフライ」なぞを見納めに選んでしまったかもしれない。
 
 まあ、前楽に駆け込もうとしていたSHINKANSENの「Shiroh」を食中毒騒動で逃してしまった私としては、年内にどうしても見ておきたいもうひとつの芝居だった「なにわ~」はどうしても逃したくなく、久々にオークションで落札してのチケット入手でした。
年内最後の公演は、もちろん大入り満員。客層は、さすがに幅広い感じです。一人芝居とは思えないほどの花の量も、さすがこのコンビという感じ。

 もうすでにネット上にはいいレビューが何件かでているみたいなので、細かい部分はそちらを参考にしてもらった方が的確かな。もともとこの芝居に興味があったのは、「一人芝居」というジャンル?に興味があるからだ。つまりこのジャンルは芝居をする役者の力量で全てが決まるのか、それとも作・演出に軍配があがるのか、という疑問があった。
「そりゃ、両方だろう?」と思われるかもしれないが、勿論両方良いに越したことは無い。しかし稽古場を想像してみて欲しい。一人芝居の稽古場、それはほとんど「役者と演出家の(あるいは作家の)力のせめぎ合い」に等しいのではないか?いい演出家であれば、ヘタな役者を一人芝居の主演に選ぶわけが無いし、選ばれた役者は、演技については全て自分の責任なのだから実力以上に出していくしかない。演出家はたった一人の同志ではあるが、彼もしくは彼女に頼りきるわけにはいかない、その人は舞台に一緒に立ってはくれないのだから。

 稽古場の雰囲気もおそらく、非常に濃密だろう。大勢の役者対ひとりの演出家、という力関係が主流のミュージカルなどとはかけ離れた世界。だからこその興味もある。
引っ張ろうとするのは果たして演出家なのか、それとも役者なのか?両者のパワーがぶつかって、それでもバランス良く、最後に役者がひとりで舞台に立っていられたら、そこで初めて「いい芝居だったね。」「あの役者すごいね。」「いや演出がすごいんだよ。」と言われるのかもしれない。

 で、その点どうだったのかというと…
始めは「ん?」という違和感。やっちゃったかな、三谷幸喜、みたいな。
まあそれは『新撰組』でも感じたことなので、もう常套。序盤が終る頃くらいに序盤のくすぐりが効いてくる。面白くなってくると、不思議と女優・戸田恵子が輝きを増してくる。なるほど、うまくいくとやっぱり主演の手柄に見えるのが、一人芝居の特徴か?と思いながら観ていると、演出家も負けずと「存在」をアピール。一辺倒でない小物の使い方や照明の使い方、女優の身体の動き。このあたりはさすがに三谷さん、「ホラホラ、俺って面白いでしょ。」を鬱陶しくなる直前までやってさっと引くところが、コメディのベテランでなきゃきっと計れない見事なタイミングです。

 ストーリー自体は、あの波乱万丈な人生を生きた「ミヤコ蝶々」の自伝なのだから、作家が何かを出来るとしたらそれは内面を掘り下げることしかない。これは「新撰組」のシナリオできっとずっとやっていたことなのだろう。不慣れな感じはなく、そのミクロで繊細な部分をうまく弄る。描き出されたその繊細な部分を巧く料理して観客に差し出すのは、女優の仕事である。戸田恵子はとにかく器用に、ミヤコ蝶々の少女時代から晩年までを演じきっていた。
帰り道に私が周りの観客に耳をそばだてていると聞こえてきたのは…「いい芝居だったね。」「戸田恵子すごいね。」「いや演出が…(以下略)」(笑)

 まあ細かいことは置いといて、これね、面白いですよ。
確かにチケットは高い。もう少し安くしてもいいと思う。
でも、損したとは思いませんよ。それは勿論ネームバリューとか、そういうことではなくその芝居を見た時間に対する個人的な満足度で決まるので、本当に人によって千差万別だと思うけれど。ひとつ結局再確認したことは、きちんとした演出家と本当に実力のある役者のコンビ、もしくは非常に実力のある「書き手」でもある役者でなければ一人芝居はつくってはいけないのだろうな、ということだ。
精進せいよ、と自分に言ってみたりして。。。

 今年も、いい芝居にたくさん出会えました。
読んでくださった皆様、どうもありがとうございます。
来年はもう少し、自分の創作にかける時間も増やしていけたらと思っています。
今後もどうぞよろしく!
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by uronna | 2004-12-30 11:00 | その他のおしゃべり

冷蔵庫の掃除には気をつけろ!

12月28日(火)
さて、あなたはどれだと思いますか?

1:賞味期限が5日ほど切れた豆腐
2:すが入ってしなびかけてた大根
3:ダシの代わりにつかった1年前に買った昆布茶

キケン!キケン!!
とか信号でなくなってるもんなあ、もう。
見た目で判断して「大丈夫じゃん?」とか言って、あまつさえその危険物をごった煮にしちゃうなんて、やっぱり私だけか?昨日の夜、冷蔵庫の掃除して、いろんなもの処分して、大丈夫だろー、というものだけでつくった料理にしっかりあたりました。。。。。ただでさえ風邪気味ですこし弱ってたんだろうケド、もう最悪です!
食べ物に執着がないのもここまで来ると命取りです。面倒な時は本当に「食べられればなんでもいいや。」と思うんだけど、まさか「食べられないもの」を食べてしまうとは思わなかった。
しっかり準「食中毒」な症状で、昨日からずっと苦しんでます。PCの前に座っているのは、ベッドに寝ると苦しいからです。
ああ~!!しかし、一体どれなんだ、原因は。。。(全部だよ)。
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by uronna | 2004-12-28 00:43 | その他のおしゃべり

「最後のいす」

12月26日(日)
友人の「崖っぷち女優」←かわいいでしょ(笑) 津川友美主演の芝居を観に行きました。
彼女とは、夏のtptでのWSで知り合って以来。崖っぷちぶりならこっちも負けへんで、とばかりにハナシが盛り上がった関西弁のチャーミングな女優ちゃんです。
トモの公式HPはこちら

で、会場のイマジンスタジオは聞いたことがないと思っていたら当然、ニッポン放送の地下にある、できたばかりのスタジオでした。有楽町から歩いていけます。近くて綺麗で便利だけど、芝居の会場としては少々使いにくそうだったな。

アトリエ公演ということで、シンプルで簡素な舞台はまあいいとして、あの袖の使い方はなんとかならんかったんかね。ずっと非常口のあかりが漏れていて非常に気になった。
共演者は、三宅裕司さんの劇団SETの劇団員さんたち。あんな狭い何もない空間で動くことに慣れていないんだろうか、大げさで過剰な動きが始めはとても気になってしまった。シンプルな舞台だけに、商業演劇の演出家と役者さんが色々と丁寧な作りこみをしているところが観たかったのだけど、ちょっと残念。「上司」役の岩永新悟さんが、ぶっちぎりで浮いた芝居をしたせいで、かえって雰囲気が落ち着いたんだけどね。やっぱりベテランの役者の「場の持って行き方」は半端じゃない。強引で強力です。

ストーリーは、ちょっと切ないラブストーリープラスよくあるオチ系。
トモのニューヨークレポートと、それにあわせて書かれたという脚本はそのままドキュメンタリーのようで(しかし内容はけしてドキュメンタリーではないと言い切れるほど『ドラマちっく』で)、自分のためにこんな風に脚本を書いてもらえて、アトリエで公演をしてもらえるまでやった彼女の頑張りに敬意を表したいと思う。
第二部は、結婚式場で披露宴形式でやるそうな。さすがエンタメ系ですな。。。
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by uronna | 2004-12-26 23:54 | 劇評、書評、映画評

「花雪恋手鑑(はなふぶきこいのてかがみ)」「勧進帳」

12月25日(土)
 昨日に引き続き、冬休みらしく大型芝居観劇にしばしの愉楽を求めてやってきております。
今日の会場は国立劇場です。

 実はこの間歌舞伎の集中講義)(21日の項参照)を聴いた内耳の皮が乾かぬうちに(こら怪しい表現を使うな)、国立の舞台に足を運ぶべし!とはりきって電話をしてしまったのだった。今日の分は3等席しか空いていなかったのだが、3等席とはいわゆる大向うで値段は安いし(1500円也)、花道の見える側(上手側)を選べば、役者の顔は小さいが十分に堪能できる。役者の顔が見たい人は双眼鏡をもっていけばいいのだ、と思っていたら私はしっかり忘れてきてしまったのだが。。。(実は幸四郎親子が結構好きなのだ。)シクシク。

 さて始めに「花雪恋手鑑」だが、これは誤解を招くことを恐れずに率直に言えば「なさけない色男の放浪譚」。もっといえば、「放蕩、婦女暴行、捨て子の乳もらい」で話が進んでいく、何か反道徳的なハナシ。おおらかというか、突拍子も無いというか。主人公の絵師・狩野四郎二郎の役を市川染五郎がまた、なよなよと佳く演じるのだ。この、「二枚目でありながら三枚目」というのが、上方和事の主人公の魅力らしい。そこには身分あるものの零落した姿「やつし」や、とぼけた言動で周囲を煙にまく「しゃべり」の芸が含まれているんだとか。
許婚の小雪に襟巻きを巻かれ、「ヨン様巻き」などとのたまう姿もほほえましい、真葛ヶ原で自分の許婚を暴行したことにも気づかないダメ男の、不思議に憎めないこと。これはもう歌舞伎の持つ様式美と、役者の生気と色気で放つ、遊興演劇の極みである。

 続いておなじみ、歌舞伎十八番の内「勧進帳」。
弁慶は勿論松本幸四郎なんだけど、今回は富樫が染ちゃんで、義経が「京屋」中村芝雀。この新ラインナップが見所らしい。「幸四郎の弁慶は感情的すぎてちょっとねえ~」なんて、この間の講師の方からポロリと聞いたりしたので、そうなの?と思っていたのだけど、実際見てみたところ、私は嫌いではない。他の弁慶役者を最近観たことがないので、比べようが無いんだけどね。(とにかく、歌舞伎についてはまだまだヒヨッコなので、誰か詳しい方の教示が欲しいところです。このブログでも、間違ったこと書いてあったりしたら遠慮なく指摘してくださいね。)
富樫の染ちゃんはまたカッコ良いんだな。「花雪」のときの2.5枚目とは全く違う凛々しい関守に、会場中は魅了されていたようだ。それは勿論、幸四郎や芝雀などの松本一門のベテラン役者に支えられてこその輝きではあろうけれど、すごく貫禄が出てきたねえ。色々なジャンルの芝居をこなしてきた経験によるものだろうか。とくに、父親との対峙の場(山伏問答)など見ものでした。

 なんか歌舞伎好きになってしまいそうな今日この頃です。
本業に差しさわりのない程度に、勉強しようかと思ってます。だれか教授役してくださいませー。
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by uronna | 2004-12-25 22:43 | 劇評、書評、映画評

クリスマスイブはライオンキング

12月24日(金)
 あまりにベタで自分でもおかしくなっちゃいますが。
クリスマスくらいはこういう演目もいいのでは?
てなわけでイブの夜は浜松町の四季劇場に足を向けました。何年ぶりだろうか。

 四季版、ライオンキング。もちろん観ていなかったわけですが、半年くらい前からちょっと四季の舞台創りを見直す必要があるかもしれないと思い始めたので、重すぎる腰を上げてチケットをとりました。普通に観にいく気にはどうしてもなれなかったので、12月24日の分にしました。思い立ったのが半年も前だったので、おかげで前から7列目のど真ん中という良席でした(苦笑。。。

 やっぱりブロードウェイのとは比べることはできないかもしれない。あのオープニングシーンの感動はそれなりにあったけれど、これはもうどうしようもなく、「四季のミュージカル」だ。やりすぎのこてこてな演出、シンバとナラの愛が芽生えるシーンでのダンスは微妙すぎる!これらの演出にはゴージャス感はあっても、登場人物の心理を際立たせて観客に納得させるような効果はない。加えて、大人シンバ役の俳優の演技は本当にこれでいいのか?
 だけど、「四季のミュージカル」がすごいのはそういった細かい部分をザルのように漏らしてしまってなお、観客を「連れ去る」ことができる点だろう。ディズニーの名作の世界を舞台の上に創出し、観客をそこに引き込む圧倒的な強さ。「夢の世界」を売りにするディズニーと四季のタッグは、他の追随を許さないほど合っているものだと、「美女と野獣」の頃から思っている。「マンマ・ミーア」などよりはこっちの方がいい。遥かにいい。

 クリスマスの夜に考える。
観客は、何を求めてこの劇場に足を運んだのだろうと。やっぱり、連れ去って欲しいのだ『夢の世界』へ。普段のカーテンコールがどのくらいなのかは知らないが、この日は5回くらいであっさり終了。常連らしい女の子たち3人連れが「嘘〜、信じられない、悲しい〜!」って叫んでたけど、今日の客層ではあなたたちはマイノリティだったみたいだね。手をしっかりつないだカップルが、劇場のそこここで記念写真をとり、グッズをねだったりねだられたり。ここはディズニーランドか?と思わず突っ込みたくなってしまいそうな風景だ。きっとそうなのだ。四季劇場は、ディズニーランドやお台場のように、「クリスマスに特別な夜を過ごす場」として選ばれているのだ。本来演劇とはクリスマスのようなイベントデーには不向きなものだ。内容によって雰囲気がよくも悪くもなってしまうからだ。そんな不確定要素たっぷりの「芝居」を、デートコースに組み込むわけにはいかない。だけど四季なら大丈夫。
そんな安心感を万人の人に与えている劇団四季。それはひょっとするとすごいことなのかもしれない。「大衆娯楽」としてのミュージカルを、日本人の生活にここまで浸透させた四季の功績を、私はやっぱり無視できないと思う。

そんなことを考えながら難しい顔をして浜松町の駅まで歩いていると、隣で私の連れは「いいじゃん、劇団四季♪ 俺ミュージカル好きになりそう。」と劇中歌の鼻歌まじりに脳天気なコメントをくれたのだった。。。
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by uronna | 2004-12-24 22:42 | 劇評、書評、映画評

シャバダバダ!

12月22日(水)

 知り合いの女優さんがでているコント芝居にご招待頂く。
タイトルは「シャバダバダ」だって。昔、ゲバゲバ90分というテレビ番組があって、その舞台版を創りたいと思って書かれたそうな。ショートコントの連続で90分か、そんな番組って今はないもんね。「8時だよ」みたいな感じなのかなあ。実際この番組見てみたい気がする。

 コントって、すごく気になるんだよね。最近とくに。
芝居と笑いの関係について考えてるからかなあ。やっぱり私は、芝居には笑いの要素が欲しいと思ってしまう作り手なのだけど。日本ではつか以前にはそういう芝居はほとんどなかったらしい。つかこうへいによって「劇場に笑いにいく」という風潮が生まれ、その後三谷、コーカミ、野田、と必ず舞台に笑いが含まれるようになり、それに倦んだ一部の人々によって「静かな演劇」が生まれてくる。私は「静かな演劇」ギライではないけれど、どうしても物足りないと思ってしまう方。「静かな笑い」や「日常」を描くのも、いいものはいい、でもそれは私の創りたいものとは違う。笑い弾けて気分爽快、それが自分にも合っているとようやく自認できるようになってきた。あの別役さんでも「コント教室」なんて本書いてるくらいだから、笑いはやっぱり奥深いものだと思う。

 で、シャバダバダだけど、正直いってネタが古い。歌のうまい人が集まっているみたいなので、歌にのせたコント?みたいなのが多いんだけど、これがちっとも面白くないんだよね。声を聞かせるなら、ちゃんと聞かせてもらった方が気持ちいいし、なんかもったいない気がした。純粋なコントも、やっぱネタが古い。年配の人なら面白いのかな?と思って周りを観察してみたけど、笑えないコントではやっぱり誰も笑ってなかった。でもダンサーはみんな上手だし、ノリノリで楽しい舞台づくりには好感が持てた。「笑い飛ばせ!」という意味のシャバダバダ、なのだとしたら、きっと反響などもそれほど気にしていないのだろう。もちろん、パンフレットにアンケートは挟まれていなかった。

 それにしても、そのパンフレットを開けた瞬間に、友人の女優さんとは別に旧知の俳優さんの顔が飛び込んできたときには驚いたなあ。舞台がはけた後に、楽屋に会いに行くと向こうもかなり驚いていた。ほんと、狭い世界だよね。でも舞台を続けている限り、こうやってまた会えるんだなあと、ちょっとだけ嬉しくなったのだった。
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by uronna | 2004-12-22 22:18 | 劇評、書評、映画評

歌舞伎公演制作ウラ話

12月21日(火)
国立劇場で制作をやっている方から、歌舞伎の制作について聞く。

現在集中講義中で、朝は9時から夕方5時まで、結構辛いものもあるが、一つの話をまとまって聞けるいい機会だ。歌舞伎関連の講義がいくつか出ているので、履修はせずに(だって履修するとレポートがあるんだもん^^;)つまみ食い聴講。

先月国立劇場でやっていた、「噂音菊柳沢騒動」(かねてきくやなぎさわそうどう)を事例に、制作の現場の話を聞く。音環には、プロデューサーと呼ばれる人間が多々いらっしゃるし、自分は演出家なのでプロデューサーに会うことはそう珍しいことではないのだが、それが歌舞伎の制作ということになると話は別である。江戸時代のシステムから現代のシステムまで、とてもわかりやすい説明だった。

「柳沢騒動」は尾上菊五郎が座長。
初演は明治8年。当時の上演名は「裏表柳団画(うらおもてやなぎのうちわえ)」冗長で難しい台詞回しを得意とした9代目市川団十郎を主役に行われ、その後6回上演したあと埋もれていた。今回98年ぶりの再演となった。
こういう、埋もれていた作品の「復活」も国立劇場の「使命」なのだそうだ。

いろいろ興味深い話を聞けたが、私がとくに面白いと思ったのは公演名の付け方だろうか。初演のときは団十郎が座長を務めているので「団」の字がタイトルに入っている。今回は菊五郎なので、「音羽屋」「菊五郎」にちなんで「音菊」なんだって。こんなの歌舞伎に詳しい人なら当たり前のことなのかもしれないが、無知蒙昧の身にはとても新鮮だ。しかも「裏表」というのは団扇の裏表であると同時に、一幕と二幕で交互に違う物語を演じて、最後に集約していく手法だという。そういえば、そんな仕立ての芝居を見たこともあるな。ビビる大木なみに「へえ〜」だ。

さらに、今回の「柳沢騒動」では、二幕第二場の酒宴のシーンで、菊五郎を初めとした出演者が全員「マツケンサンバ」を踊ったそうな。キラキラしたポンポンを入手するために走り回りましたよ〜、と制作の方は言っていたが、鳴物の人たちは「カンカンココンカンカンカコンコン」となる打楽器を叩き、長唄の人たちが「南のカルナバル♪」とかって歌っていたのを想像するとなんとも可笑しい。
誰か、見た人いたら感想を是非教えて欲しいです。

歌舞伎は大衆芸能だから、決して堅苦しいものではなく「当世流行りの」ものを随時取り入れていくので、こういう試みは決して珍しくないんだって。菊五郎がDVDを買ってきて制作に「是非これをやりたい」と言ったとか。「俺は松平健じゃないから、この役を松井源吾ってことにして「マツゲンサンバ」で行こう。」って言ったとか言わないとか。
いろいろしきたりはあっても、大衆芸能としての歌舞伎は「敷居の高い」ものではない。またアジアやヨーロッパから友人が訪ねてきて歌舞伎を見たがったりしたときのために、もう少し歌舞伎の勉強をしなくてはと思うAshelycatだった。(いつも開き直って「わからん」と答えていたのだ。。。(汗))
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by uronna | 2004-12-21 10:37 | 学校生活

Voice Space

12月16日(木)
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ボイススペースだって。(ライフスペースみたい、と誰かが言っていたが、怪しい団体ではありません。)詩人の佐々木先生を中心とした声、言葉のリズムの勉強会のことです。

前回は「反省会」メインの参加になってしまったので、今日は予定を繰り合わせしっかり出席できるようにした。(11/25の記事参照)
今日のメインは邦楽科で鼓をやっている女性と、佐々木先生の詩のコラボレーション。この学校にいると普段ならあまりお目にかかれない楽器と、それを美しく奏でることのできる人材に出会えることがある。今日もそんな日だった。

鼓はシンプルだけど難しい楽器である。ポン、と美しい音を響かせられるようになるまでには相当の修行が要ると聞いたことがあった。能楽の鼓と歌舞伎の鼓では、奏者に意識の違いが相当ある、とか、叩く面の逆サイドの面に和紙を張ってその湿り具合で響きが調節できるとか、間近で見れば見るほど興味深い。

はじめは朔太郎の詩で、佐々木さんと彼女のコラボ。
「竹、竹、竹がはえ」に合わせてポンポンポンと鼓の音が高まっていくのはなかなか神妙な趣がある。彼女はまず詩の雰囲気をつかみ、「この辺りは静謐なかんじ、この辺りから気分が高まっていく感じ」と叩くタイミングを決めているようだ。
佐々木先生は「いままで他の楽器とやったときには、相手の(楽器を)鳴らすタイミングがわかるからこっちも、そうくるならこうや、とやれた。でも鼓はそうはいかんなあ。」と感服しきり。こちらから聞いていても、朗読はもちろん主旋律なのだが、鼓が指揮をとっているような面白い印象を受け取る。

そのあと今度は佐々木先生の新作?「メアリーとダニーの庭」という詩にあわせてもう一度コラボレーション。朔太郎は「和」の雰囲気を持つから合うのもわかるが、こういう詩でもできるんかいな、というのが先生の疑問だったみたいだけど、彼女はそれも難無くクリア。ゴータ・ホークで先生が必ず滞在するという家の、庭先に咲く花々を主のメアリー、ダニーの表情にシンクロさせた、バターとはちみつの香りがしてきそうな詩。それでも、鼓の音は軽やかに、詩人の声をある時は奥ゆかしくある時は鮮烈に彩った。内容が洋物か和物かは、ほとんど関係ないようだった。

これは私の憶測だが、やっぱりこの詩が「日本語」で書かれているからではないだろうか。いくら内容が遠く離れた異国のことであっても、それを語る言葉は日本語で、それを愛でる情緒は日本人のものだ。そうである限り、和楽器の鼓はそのリズムを容易く捉え、主となり従となりながら音を奏でることができるのだろう。
私は、英語や他の言語の詩と鼓の競演もできることなら見てみたい。
もし先生が海外の詩人さんとコラボすることがあれば、ぜひそんなチャンスを設けて欲しいと思った。

終了後はいつもどおり反省会。
年末の上野はどこも忘年会で混んでいた。
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by uronna | 2004-12-16 09:56 | 学校生活

アートパス、いよいよ始まる。

12月8日(木)
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今日から学内向けの展示が始まった。
いままでも何度か宣伝してきた、ドラマリーディング「4時48分サイコシス」は12日(土曜日)の16時半から、プレハブの一階にあるカフェで上演です。フライヤーも仕上がって、あとはゲネと本番を残すのみです。
サラ・ケインの残した現代社会への悲痛な叫びを、聞いて下さい。
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by uronna | 2004-12-10 21:51 | 舞台のおはなし

演出プランを浴衣でピアノの前に座って練る女

12月8日(水)
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写真は、上野の練習室の中。
今日からアートパス準備期間に入り、取手の講義は全部休講。
でも、上野で履修している副科実技には、そんなことは関係ない。今日の稽古は幸い午後からだったので、午前中の日舞の講義に出るわけだが、これもいきなり時間がずれたりするので本当に困ります。。。今日も10時からの講義に行ったら、いきなり「10時半からになりました。」だって。まあ、せっかくきたのに「休講です」といわれたこともある。それに比べればいくらもマシというもの。

で、今日の稽古までに決めなきゃいけない音響と照明のプランを練らなきゃいけないので、日舞用にきがえたまんま、練習室を予約してピアノの前に座り作業を始める。(練習室には普通の机がないので、必然的にピアノの前に座ることになる。)時折、練習室利用者が怪訝な顔で覗いていく。当然だよなあ。和服でピアノの前に座って、しかも楽譜じゃなくて脚本を広げてるんだもん。。。

いよいよ、本番まであと3日を残すのみ。
11日は取手キャンパスの、プレハブカフェ「環」(一年生ががんばって作ったカフェです。)にて16:30分からです。よろしく!
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by uronna | 2004-12-08 21:50 | 学校生活

☆NOW ON AIR ☆    公演の情報と、稽古場日記。ソラソバティと県川演劇部の奮闘のきろく。
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