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その河を越えて、五月

5月26日(木)
本日ダブル観劇。

新国立劇場の小劇場でやっていた「その河を越えて、五月」を観に行った。
宮城さんの「かなり完成度が高いから見るべし」という言葉に、興味をそそられる。

これは、平田オリザさんと青年団が、韓国の劇作家金と、演出家の李とコラボレーションし、3年の歳月をかけて作られた作品である。初演(2002年)は日本で朝日舞台芸術賞をとり、韓国でも権威のある賞をとり、多大な評価を受けた。

舞台は韓国。河のほとりで、韓国に留学中の日本人たちが花見をしようと茣蓙を広げている。語学学校の学生である彼らは、年齢もバックグラウンドもまちまちで、その価値観の相違からぶつかることもある。語学学校の講師である文浩の家族も一緒に花見をすることになっているが、こちらは文浩の弟才浩とその妻が、カナダへの移住を母親に切り出そうとしている。言葉がうまく通じないのに、相手の国の悪口だけはなぜか覿面に伝わってしまう不思議。自分の国の嫌なところを自分はいつも託っているのに、何も知らないほかの国の人間に言われることは許しがたく思う気持ち。お隣さんであるはずの日本と韓国の間を隔てるのは、広い海ではなく人の気持ちである。海溝よりも深く沈みこむ、歴史の中でのわだかまり。それでも、一対一で話し合えばそこには日本人と韓国人、ではなく、一人のひととひとという関係が新たに生れる。お互いのバックグラウンドや国籍は、その一個人の性格を規定するものではない。ずっとついてまわるものだけれど、それが誰かと誰かが親しくなることを阻むものではない。
ラストシーン近く、離れて敷かれていた二つの茣蓙を、登場人物たちが近づけようとする。完全にぴったり合わさらず、小さな溝を残しながらも行き来できる距離に近づいたお互いの茣蓙は、まさに日本と韓国の現在の関係を表していて妙である。

平田オリザさんの作品は、直球だなと思う。
書かれている言葉は、どうしてここまで、と思うくらい直接的で、私はたまに受け付けないこともあった。しかしこのような作品の場合、デフォルメしたり暗に含ませたような仕掛けをつくってはいけないのかもしれない。これは、正攻法アプローチだからこそ成功する舞台なのだろう。

平田オリザさんは、演劇でやらなければならないことをしている人だ、と改めて思った。
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by uronna | 2005-05-26 23:31 | 劇評、書評、映画評

レミゼ 2000回バージョン

5月26日(木)

レ・ミ 再び。
2000回バージョンの企画を知った時、ほとんどのレミファンはかなり興奮したのではないだろうか。私は、した。
チケットをゲットするために土曜日の午前中を全部つぶして電話とネットにつきっきりで悪戦苦闘したのではないだろうか。私は、した。
しかも平日の昼間が取れてしまい、授業または仕事をサボることになって休みをとるのに苦労したりしなかっただろうか。私は、した。

というわけで、そこまでしても観たい、レミ2000回バージョンキャスト@帝劇。観てきました。

今井バルジャン
あいかわらず、声域の広さと豊富な声量で歌い上げる。私は今回のキャスト、今井バルジャンで正解だと思う。今まで見てきたキャストの中でも、歌と表現力の点でぴか一。

加賀ジャベ
いうことなし。バルジャンじゃなくてジャベールに加賀さん、ってのがコアなファンには嬉しいところじゃないか。やっぱ、ジャベはこのくらい「おじさん」で、カッコいくなきゃだめだよね。

島田エポ
LOOK DOWNの登場シーンで、再び彼女のエポを見られることに戦慄。あの目つき、しぐさ、やっぱりこの人を凌ぐエポニーヌがでないのも仕方ない。だってそのもの、なんだから。

岩崎ファンティーヌ
なんであんなにかわいいんだろ。10年前と全然かわらない。すずのような声と、ブルースっぽくなる低音。二つの声色をうまく調整してのI dreamed a dream. 聴き惚れました。

岡アンジョ
うー、ちょっとおじさんになっちゃったけど、あのカリスマ性は健在!やっぱりアンジョルラスはこうでなくっちゃ、っていうくらい華のある男、岡幸二郎。すばらしい。

石川マリウス
この人はやっぱり、演技が上手。マリウスのおぼっちゃんぶりをしっかり表現して、好演でした。どうして石井一孝じゃないのかな?とも思ったが、石川さんのマリウスの方が私は好きだったのを思い出した。

斉藤テナ
ああもう、大好き。この黒さがいいの。斉藤晴彦のテナルディエはとにかく、芸がこまかい。一挙手一投足から目が離せない。二度と観られないと思っていただけに、嬉しい。

森テナ夫人
やっぱ、この貫禄と、出てきただけで笑えるアピアランス。いろんなテナ夫人をみたけれど、森クミさんのテナ夫人は明るく憎めない。かなり好きだ。

知念コゼ
このキャストのなかでは、一人だけ浮いてしまっている。ザンネン。でもがんばりは見える。


やっぱり、このキャストで見るとかつてどれだけこのミュージカルがすごかったかが思い出される。最近、「レミゼ見たけど面白くなかった」みたいな話を聞くことが多いのだけど、それは最近の舞台がどこか、変質してしまっているからなのだろう。キャストも、加賀&滝田のダブルキャストで集中的にやっていた頃とはわけが違う。女優も、島田、岩崎のような大物が不在になり、歌を聞かせて演技も出来る役者が減っている気がする。
はっきり言って、この2000回バージョンはプレミア料金払っても観る意味のある公演だったと思う。これはファンとかひいきとかそういうことでなく、いまの日本で舞台をやったり、観たりしている人間ならば絶対に、観て得られるものがある、という意味である。

やばいね。これを凌ぐミュージカルを、果たして創ることができるのか。
いつかは・・・。
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by uronna | 2005-05-26 19:05 | 劇評、書評、映画評

久しぶりにプチ腹がたった話。

もう五月も終わりに近い。

今年の春から某○宝で、戯曲作家養成の講座に通っている。
学校ではどうしても演出メインになってしまい、劇作があまりできていない不安があったからである。それから、色々演劇について少しは語れるようになった今、商業演劇の世界をもう一度違った目で見てみたいというもくろみもあった。

しかし、この講座本当に内容がショボイ。
結構いい値段をとるのに、講師はたったの二人で、しかも「偏っている」。
戯曲の書き方をまともに教えたりはしない。体裁を教えて、書かせて、生徒同士で批評させるだけなのだ。絶対にペイしないぞ、これは…。最初から暗雲がたちこめていたけれど、まあお金も払っちゃったし、作品だけは書くことにする。

で、この前私の出した作品について、その一人の講師がつけた「批評」なんだけど…
これが、へんちくりんなものだった。最初から、重箱の隅をつつく「攻撃姿勢」がちらつき、かなり不快になる。だいたい、ちゃんと読んでもいないみたいなのだ。「何、この二人は親子なの。」って、一度でも読めばわかるじゃんって思ってたら「読点のうちかたがいい加減だから僕は最初から読む気がしないんだよねえ」だって。サラケインをやってから、読点の打ち方には気を遣っている。その結果打ったり打たなかったりになっているのだが、そんなことはこの講師には解るはずもない。そのあともちくちくと、「こんなに大切なテーマを、こんなにチャラチャラ扱わないで欲しいんだよね〜」原爆を扱った話をね、井上ひさしさんみたいに書くことを私たちがやる方がおかしいよ。だいたいこの講師、「僕は野田秀樹はきらいなんだよね」とか「最近の芝居はどうも理解しにくくて困る」とか、問題発言が多い。自分の好きなものだけを教えればいいのか?どっかの大学で演劇を教えている人らしいんだけど、いったいどんな授業をしているのかかなり疑問…。で、人にいちいち説明を求めておいて、答えると「いちいち説明しなきゃいけないようじゃ、戯曲じゃないんだよね」だって。なんかあきれてバトる気もなくなった…。他の受講生も、さすがに理不尽だと思って援護射撃に入ってくれたりしたけど、もう私はあの人とは話すこともないな、と思った。

っていうか、いいのかね、天下の○宝があんなの使ってて…。
商業演劇の未来は、夜明けは、果てしなく遠い気がした。。。
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by uronna | 2005-05-25 02:25 | 舞台のおはなし

クナウカ 「トロイアの女」

5月11日(水)
今日もにしすがも。

ようやく、クナウカの稽古場に顔を出せる。
今、クナウカは「トロイアの女」の稽古中。昨日の倉迫さんの「エレクトラ」と同様に鈴木忠志さんの「Shizuoka 春の芸術祭」で上演する作品である。
私は念願の「インターン?」で宮城さんの演出を勉強するのであるけれど、スタンスはあまり決まっていない。今はただ見てるだけである。(笑)

稽古法などは、「企業秘密」ならぬ「劇団秘密」なので(たぶん)ここで書くことはしないけれど、クナウカの役者さんたちは本当に体が切れるし、感じもいい人たちばかりである。どのように芝居が組み立てられていくのか、その経過がとても楽しみである。
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by uronna | 2005-05-11 23:30 | 舞台のおはなし

倉迫さんと、フローズンビーチ♪

5月10日(火)
にしすがも創造舎でやってる、うちのプロジェクトに顔を出す。
今年は四年なので必修ではないんだけど、今年から講師できているort-d.dの演出家・倉迫さんからのメールにケラの「フローズンビーチ」やります、とあったので捨ておけず、参加することになる。

ケラリーノ・サンドロヴィッチの作品の中では、もっとも好きな戯曲である。ま、岸田戯曲賞もとっているし、世間的な評価も高いのだろうけど。
なんでケラのギャグってこんなにさえてんだろ、しかし。あのたたみかけるようなコントのような台詞の応酬。そしてギャグが伏線になっていたときの驚き。ケラ作品はとにかく知的にも感覚的にも得られる快感が大きいのだ。
しかしうちのプロジェクトは女性ばっかりだから、この戯曲はぴったりかもしれない。さすが倉迫氏である。

終了後、倉迫氏が静岡でやる「エレクトラ」の通しを見せていただくことになり、今日はクナウカの稽古場に足を運べず。残念。。。
「エレクトラ」は女優2名、男優2名の役者3名のミニマムバージョン。ミニマムでも緊張感はすごいものがある。50分ほどだったら、見終わったらへとへと。
ああ、やっぱりギリシャ悲劇は重たいなあ。
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by uronna | 2005-05-11 23:27 | 舞台のおはなし

卒業制作

5月9日(月)
GWも終わり。
どうも今年は遊び癖の抜けない春だ。封印してた雪山熱が再発してしまったからだろう。ボード好きな人は趣味ブログの方のぞいてみて下さい。(馬鹿だ…どう考えてもこの滑走日数は)もちろん、創作を疎かにしては本末転倒だし、その一線は超えないようにしているけど。。。

ま、そんなわけで久しぶりに戯曲一本書いた。
父と息子を扱った30分くらいの短いもの。ラップミュージカル(笑)
ずっと書きたかったモチーフで書いたので筆のすすみは早かったけど、読み返してみるとまだまだしょっぱいな。。。精進しなきゃ。

しかし、悠長にもかまえてられんな。
そろそろ卒業制作の本を書きはじめないと、やばいんじゃないのかな〜。。。
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by uronna | 2005-05-09 23:05 | 学校生活

復活。


by kawasaki Alice
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