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「リア王」【モスクワ芸術座】鈴木忠志演出

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12月23日
新国立劇場にて
鈴木忠志演出の「リア王」を観劇。(写真はパンフより)

以前利賀の演出家コンクールで、目玉を吸い出して食べるという芝居をやったとき(別にこのえぐさが主題ではない)、プロデューサーの斉藤さんに「あなたも、鈴木忠志の『リア王』を見て、(表現の方法を)お勉強なさいね」といわれる。以来、はやく見なければと思いつつもなかなか観ることが出来ず、(だってDVD鑑賞とかだと魅力も半減)今回ようやっと新国立劇場にて拝謁する運びとなる。

新国立劇場中劇場は、ほぼ満席。
中劇場とはいえ、ここはオペラ劇場を擁する新国立劇場の中劇場。つまり、中劇場というのは収客数1000人越えの大きな劇場のことを指すわけだ。私は演劇人会議の会員ということで、師匠や他の会員の方と一緒に2階席の前列から観劇していたのだが、ク・ナウカの役者の数人は、なんと最前列を用意していただいた模様。なんという幸運。そう心から羨ましく思うような、質の高い芝居だった。
役者の一人は「生涯で見た芝居のなかで3本の指に入るかもしれない」とまで言っていた(ちなみに役者暦の長い年配の方)。

「リア王」
3人の娘を持つ王が、自分の領地と財産を分け与える際に、娘達に自分への愛情を問い、その多さによって配分を決めようとする。上の二人の娘は美辞麗句を弄して多くの財産を得るが、末娘のコーディリアだけは質素で正直な娘であったために、父の不興を買い追い出されてしまう。
やがて上の娘達は自分たちの権力のために、父王を追い出す陰謀を巡らし始め、哀れなリア王は娘達の裏切りに絶望しながら没落していく。コーディリアは父を助けようとするが、逆に捕らえられ、命を落とす。

これは、当然のことながらシェークスピアの書いたイングランド王の話である。しかし、鈴木演出ではこれを、家族から見放されて病院に閉じ込められている老いた男の回想と重ねることで、これを遠いイギリスの昔の話、ではなく、「権力者というものがいかにいつの時代でも孤独を抱いているか」という普遍的なテーマに置き換えている。

開演。ラールゴの調べと共にSS(サイドスポット)が役者達にあたる。その幻想的な美しさに思わず息を飲む。
舞台中央に車椅子の男(リア王)。長女ゴネリル、次女リーガン、そして三女コーディリアともに男優によって演じられる。リアを介護する看護婦(スカートをはいている)も男優。ごつい体から発せられる権力闘争の台詞は、シェークスピアの描く「強い女」像を如実に表現している。性格は違っても、三女も強い女には違いない。太った禿の看護婦は、車椅子の男の隣で「リア王」を読みふけり、男の独白にあわせてその悲劇を強調するかのように台詞を喋り、哄笑する。絶望した男の後ろを、ミニスカートの看護婦隊が通り過ぎていく。

(私にとって)問題のグロスターが目をつぶされるシーン。
私が想像していたほど様式的にやっていたわけではなかった。目を抉り出す所作はあって、取られた方は大声を上げて叫んでいた。つまりここだけ取り出すと別にリアリズムの演技(私が二年前に用いた方法)と変わらなく見える。
しかし、問題はどんな文脈で、それが演じられるかということなのだろう。枠組みが鈴木演出のコンセプチュアルな世界で、また、それを演じる俳優が高度にスズキメソッドを身につけていれば、それはまた違った演技になるのもしかるべきだろう。いずれにしても、2年前の私がいかに未熟だったのか、ということは一目瞭然である。(まあ、世界の鈴木忠志と自分を比べるほど、身の程知らずではないが。)

終演後、オペラシティタワーの東天紅にて、演劇人会議の忘年会に参加。
モスクワ芸術座の役者も挨拶を兼ねて参加したので、慰労会のような雰囲気に。途中までは師匠の後ろにくっついて従順な演出助手ぶっていたのだが(笑)、徐々に同年代の、仲良しの演出家たちの顔を見つけてそちらの輪に入っていく。こういう機会はなかなか無いので、演劇人会議の存在はありがたいと思う。
オペラシティからの夜景はとても美しかったのに…、飲みに走って写真を撮るのを忘れました…。。。

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ash_yamaneco
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by uronna | 2006-12-23 23:40 | 舞台のおはなし

「王女イヴォナ」山の手事情社

YAMANOTE TRIP
山の手事情社×ワルシャワ・ドラマ劇場共同制作「王女イヴォナ」
森下スタジオ Cスタジオにて。
ポーランドの戯曲作家ゴンブロヴィッチの作品「王女イヴォナ」を、ワルシャワ・ドラマ劇場の芸術監督であり演出家のピォトル・チェシラックが、ポーランドと日本の俳優の共演で舞台化した意欲作。来年の本公演をにらんだ試演であるとともに、「ファウスト」「青い鳥」につづく三作連続上演の最後を飾る作品。

■演出:ピョトル・チェシラック(ワルシャワドラマ劇場 芸術監督)
■出演:山本芳郎、倉品淳子、浦弘毅、大久保美智子、山田宏平、斉木和洋、ユリ ア・キヨフスカ(ワルシャワ・ドラマ劇場)
■監修:安田雅弘 

ストーリーがとにかく面白くて。
不条理っていうものは、ポーランドの御国芸みたいなものらしい。
イヴォナは、この上なく不器量なのに加えて、ほとんど喋らない娘。それを、なぜか一国の王子が妻に迎えると言い出して、王も妃も侍従長も大騒ぎ。皆がイヴォナを中心に狂気の体をなしてきて、喧嘩を始め、もはや正常なのは誰なのかわからない。やがてイヴォナを殺すために王家の人々の間でひとつの陰謀が囁かれる様になる。すなわち晩餐のメニューに、喉に骨を詰まらせて人が死ぬこともあるという「鮒」を出すこと。

森下のCスタは、以前うち(ク・ナウカ)もインドネシアのカンパニー「テアトル・ガラシ」の招聘作品「ワクトゥ・バトゥ」をやったところ。さすがセゾンのお膝元、海外からくるカンパニーにとってはなじみの深い場所になりつつあるようだ。あの広い空間に、特にセットのようなものは組まず、ホリゾントにあたる舞台奥壁面に映像を投影する。役者は王族っぽさを出しているのか白いメイクをして、もともと白い顔をしたポーランドの役者が演じるイヴォナを取り囲む。異端に対する異様な反応。ムリに異端児を容れようとする人間達の滑稽な行動。自然死に見せかけて殺してしまえば罪とともに罪の意識からも逃れられるのか。そもそも、何もしていない(喋ることすらしない)イヴォナがなぜ殺されなければならないのか。なんとも面白い、ヘンな話なのである。

セットの変わりに後半は大量のごみが空から降ってくる。それは埃っぽい舞台であった。
埃と塵にまみれた、妙にスタイリッシュな演出があとまで印象に残る。随分みせてくれる、と思った。
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by uronna | 2006-12-21 23:46 | 劇評、書評、映画評

「ソウル市民 昭和望郷編」【吉祥寺シアター】

青年団の「ソウル市民」
DVD撮影回ということで、特別に招待枠で見せてもらえることに。
久々古巣吉祥寺へ出動♪
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by uronna | 2006-12-12 22:42 | 劇評、書評、映画評

奥州安達原 稽古場より

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台湾から帰ってきたその日から、「奥州安達が原」の稽古が始まっています。
写真は演奏稽古の様子。
今回はシェーカーがだいぶ活用されるみたいだし、私も久々にシャカシャカやっちゃおうかな?
(シェーカー違い 笑)

ash_yamaneco
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by uronna | 2006-12-11 02:38 | ク・ナウカ演出助手日記

公演終了!~うちあげ♪

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フルキャスト…ではないけど、演奏者以外のメンバー勢ぞろいです!
本番は、大盛況でした。。。!!
私はずーっとビデオ回していたので、あまり舞台を客観的には見られていないのですが、それでも周りの人達が吸い込まれている空気は伝わってきましたょ☆
日本の「伝統と未来」。しっかりアジアの他の国の人々の心に刻み付けられていると、いいなあ。

私は一応東京都のオフィシャルカメラマンなんだけど(…なんでやねん^^;)台北のオフィシャルカメラは、三人体制でいいな~…^^;なんて毎日彼らと顔を合わせるたびに思いながら一人で走り回ってました。カメラひとりってえぐいですょ、ほんとに。だってトイレも行けないんだよ^^;

最初はベスポジの取り合いで火花ちらしてた台北のカメラの子達が、二日目には「一人なの?」って聞いてきて、「日本ではDVテープはいくらだ」とか「この機能はやっぱりソニーよりパナソニックがいいね」とか(あたしをプロのカメラさんだと思っているらしい…^^;)三日目には帰りがけにカメラしまってると「頑張れ~」って応援してくれて、しまいにゃあたしの席まで確保しておいてくれる始末。台湾の子達って、みんななんかフレンドリーで優しいんだよね~。

最終日(あたしは日本公演団がみんな帰ってしまっても、最後まで他の国の録画をしなければいけなかったので、残っていました)、収録が終わって、カメラを片付けてると

台北カメラ「もう、明日かえるの?」
東京カメラ(私)「うん」
台北「そっか」
東京「いろいろありがとね」
台北「こちらこそね」

こうして書いてみると、他愛も無い会話なんだけど、デカイ三脚を毎日担いで必ず同じ場所に同じ時間に現れていた女の子同士、なんか仲間意識がわいてて、別れ際少し、寂しかったりして。
もう会えないかもしれないけど、彼女たちの笑顔は忘れないっす☆

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さてさて、これは打ち上げにて☆
私と、制作のYさんと、お手伝いのNさんは、打ち上げ会場を間違えて、山の上の温泉まで行ってしまいました。。。タクシーで1時間もかかるから、おかしいと思ったんだよね^^;
おかげで、街中のこのレストランに戻ったときには、もう演者さんたちはあがるとこでした…。
シクシク。
臭気をあげる臭豆腐…の向こうに美女二人。


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せめてこの豪勢なお食事をぱちり☆

ash_yamaneco
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by uronna | 2006-12-01 23:11 | ク・ナウカ演出助手日記

アジア舞台芸術祭 オープニング♪

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キモかっこかわいぃKATHYのパフォーマンス。

東京代表として、もう一団体台北に来ている。
(ブース展示の建築家渡辺さんをいれたら3組になるのかな?)

私は個人的にはオープニングの作品よりも、記者会見のパフォーマンスの方が好きでした。
覆面の中は、みなさん素敵な素顔をお持ちなんですね♪

ash_yamaneco
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by uronna | 2006-12-01 14:07 | 舞台のおはなし

復活。


by kawasaki Alice
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