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『野田版 愛陀姫』

歌舞伎座にて。

歌劇『AIDA』は観たことがない。
いまやサッカーファンでなくても聞いたことがない人は少ないであろう凱旋行進曲がこの歌劇の曲だということくらいは一応知っていたが、ストーリーは、エジプトの三角関係の話だったかなくら
いの認識。なので一応観劇前に復習をする。

<ものがたり>
エチオピア王女アイーダは、奴隷の身となって、エジプト王女アムネリスに仕えている。若き軍人ラダメスとは恋仲だが、アムネリスもラダメスに思いを寄せていて、激しい嫉妬を受ける。
神の宣託によりエチオピア討伐軍の将軍にはラダメスが選ばれる。故郷の軍を倒して愛しい男が凱旋するのを複雑な気持ちで見守るアイーダは、捕虜の中に敵軍の将である自分の父が紛れていることに気がつく。父に言われてラダメスから軍事上の機密を聞き出すアイーダ。アイーダはともにエチオピアへ逃れることを勧めるが、ラダメスは祖国を離れることができず、裏切り者として捕えられる。アムネリスの必死の懇願にも耳を貸さぬラダメスは処罰されることになり、石牢へ生き埋めにされる。そこにはアイーダが既に待っていた…。


野田版だと

アイーダ…愛陀姫=尾張の織田家の姫→中村七之助
ラダメス…木村駄目助座衛門=美濃の武将→中村橋之助
アムネリス…濃姫=美濃の斉藤道三の娘→中村勘三郎

ということになる。

日本史マニア(とくに戦国時代)にはたまらない翻案というところだろうか?

野田さんらしい演出があちこちに。
特に最初のえせ占い師たち(福助&扇雀)と群集のシーンは野田さんワールドが炸裂していて。普通の(?)歌舞伎ファンの人たちはびっくりしないのだろうか?と不安になってしまったが、そもそも客層がいつもとは違っていたこの第三部だった。

凱旋行進曲の邦楽バージョンはなかなか聴きでがあったなぁ。
どう考えても、この曲があったからこの演目を選んだのではないかと思ってしまうのだが。
だって、いまや曲の方がなじみがあるんだもの。
オペラを翻案するにあたって、物語と音楽は切り離せないわけじゃない。(そういう試みも身近に見知ってはおりますが。)でも、音楽の方は一人歩きして、全然オペラを見たことがない人でも別のイメージで覚えていたりする。その一人歩きしている音楽の方に、演出を出逢わせることであらたな(歌劇ではなく現代劇の)アイーダが出来上がっていることがひとつの特徴だった。もちろん、安直に結び付けているわけではなく、「歌舞伎」という様式と邦楽のなかで筋を整えているからこそ、もともとの歌劇の持つ壮麗さが失われずにいるというのも重要な点である。

ハリボテならぬ、ビニールの象がふわふわと歌舞伎座の舞台を凱旋する場面は華やかでコミカルで、思い出しても楽しい。
本来のオペラの演出とあまり違わないと思われるラストシーンは、印象的ではあったけれども、せっかく歌舞伎座でやっているのに、なんだか普通だなあ…という感想。

新作歌舞伎というよりは、『野田地図IN歌舞伎座』という感じがしましたが、いかがだろう。
随分前に見た『蜷川十二夜』と比べてみると、蜷川さんのほうはもっとシンプルに「新作歌舞伎を作ろう」というスタンスだったことがわかる。まぁ、勘三郎一座と菊五郎一座の色の違いもあるだろうけれど、野田さんだとどうしても「現代劇に歌舞伎役者が出ている」という感じになるのはどうしてだろう。歌舞伎座でやっていてもそう。これが串田さんだと、コクーンでやってちょうど(野田さんと蜷川さんの)中間くらいになる。

どれも見所や面白みが違って、そのたびにドキドキさせられるけどね。
今のところ串田さんのがいちばん好きです。(笑)
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by uronna | 2008-08-17 23:53 | 劇評、書評、映画評

泣ける、笑える、しょーじきヤバイです!

阿部さんの一人芝居 Vol.19
『猫のゆりかご』
@RAFT 

両国での稽古が5時半に終わった。
昨日今日と、稽古は本読みなので、阿部さんの芝居に行ける!ということがわかった時、
小さくガッツポーズをしてしまったくらい。
あわてて阿部さんに予約のメールを入れました。ああ、なんてラッキー。

東中野から劇場に歩く途中で大好きなTちゃんに出会う。
今日はラッキー2倍♪
駅からの道もずっとウキウキしてましたが、受付のHさんの南国スタイルにさらに
胡乱なリゾート気分が盛り上がる。



しかし今回の作品はキレてたなぁ。。。
まだ公演中だから、内容はかけないけれど、はっきりいってやばいです。
枕(芝居の始まる前のおしゃべり)から爆笑の連続です。

不条理でもあり、ナンセンスでもあり、それでいて妙にリアリティのあるヴォネガットの世界。
私はなんと、一冊も読んだことがなかったのだけれど、日本人の作家で言うと筒井康隆の作風が似ている感じなんでしょうか、というか、影響を受けているのかな。
とにかく、破天荒なのに妙に細かい描写が、作者がどこまで本気で書いているのかがわからない。そして、それにどこまで演者が本気で挑んでいいのか。そのぎりぎりのラインで物語を遊んでいる阿部さんに、いたく感銘を受けました。

音楽もすごくよかったー。
スティールギターの響きと、阿部さんの秘密兵器がもぅ、耳から離れません。
この魔力じみた効果は、ポニョなみ?w

オフビートっていうのはよくわかったけれど、それでもやっぱり心地のいいビートがあり、
地の文の抑揚を抑えたかわりにキャラがツーンと引き立って。
まじ、笑いすぎて撃沈したシーンも多々あります。

高校生にも見せたかったのだけれど、今回はチケットの売れ行きもかなりいいみたいだったので、今一番この舞台を観ることを必要としている男子生徒だけ行かせることにしました。

10日までです、チケットはもう残席僅少と聞いていますが、
興味のある方はぜひぜひ、ぜひぜひ、アクセスしてみてください!


阿部さんホームページ





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by uronna | 2008-08-08 22:39 | 劇評、書評、映画評

『歌行燈』

あうるすぽっと@池袋

美加理さんのダンス公演。
泉鏡花の『歌行燈』をダンスする、ということでとても楽しみにしていた。
あうるすぽっとも、初めて来た。

上に図書館があるなんて、なんて素敵な劇場!
しかも、その図書館が非常に使いやすい。観易い。探し易い。居易い。
うーん、さすが豊島区。
前にどっかで区長が「区民の満足度全国一」を自慢していただけあるわ。
私も次に住むならこういう図書館のまん前に住みたい。

とても興味深い芝居だった。
たしかにダンスなんだけど、いつのまにか演劇として観てしまっている。
宙吊りにされた美加理さんの棒のような身体に目を奪われた。

笠井さんの振付けって、舞踏っぽくなくて好きかも。
選曲とかも、よく言えばスタンダード、悪く言えばベタなのだけれど、
最近はそれを狙っている演出も多いし、今回はとてもあたっていた。
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by uronna | 2008-08-05 23:55 | 舞台のおはなし

復活。


by kawasaki Alice
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