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お鉢がまわる…『タトゥー』


新国立劇場にて、大迫さんが照明を担当している『タトゥー』を観劇。

いろいろと見所がある作品だったけれども今回は敢えて作家という視点から論じてみたいと思う。
近親相姦を扱った物語自体はそんなに珍しくないのだ。この戯曲を面白いと思ったのはそこではなくて、テクストがすでにばらばらに解体されていることだ。


プロデューサーとしては、このテクストの『外見』ならチェルフィッチュの岡田さん、と思ったのかもしれない。(同様にこのテクストの『内容』なら、美術は塩田さん、と。)

悪くないマリアージュなのかな、ということは作品を見る前に思ったこと。

詩的過ぎず、かといってソープオペラのような俗っぽさにけっして落ちることは無く、
丁度いい距離感を保ちながら「お隣さんの現実」を覗く様な気持ちで観させられる…

だろう。



まぁ、半分くらいはそのとおりだったんだけど。




しかし、観終わって、なんだかしっくりこない。

「リアル」からはほど遠いのに部分的にとてもリアル。

というのが、わたしが芝居を観たりやったりするときのポイントなのだけれど、

この芝居に、ちょっとでもその「リアル」はあったんだろうか???



戯曲そのものを読むと、たしかにある。「リアル」なところ。
わざわざ詩のような文体で、語順をかえて句読点もつけずにかかれた台詞はすっごくぶっとんでいるように見えるけれど、そんなことはない、これは虐待された姉の心が発するデフォルメされた声なのであり、思考という流れの中ではまったく齟齬が無く、気味悪いほどリアル。

『パン釜ヴォルフ』(父)が、『お前はもう少し慎重だったけど、あいつは一発目の釜入れで大当たり』というくだり。鳥肌がたつほどキモい。『ワンワンユーレ』(母)がペットサロンの話をするくだりも、『フラワーパウル』(恋人)が『おれ、犯罪者にはなれないから』っていうところも、なにより文字から作家のエゴが滲み出てるから!


塩田さんの美術は個性が強いから、色々言われるけれどあれは戯曲からうけた素直なイメージだろうと思う。
まさにわたしの抱いたイメージもあんな感じだ。芝居の美術として観ると、いろいろ意見があるけれど、戯曲を小説のように読んでいきつく創作としては見事なものだと思う。


結局、一番最後に仕事をする人が一番苦労をするのではないか?

まぁそれは、演出家ということなのだけれど。

役者は当然自由に動けないので、演出家に文句をいうだろうな。
自由に動けないのを、演出家のせいだと思うのだろうな。
(いや、演出家のせいもけっこうあるのだが)


ああいう戯曲は読むには面白いけれど、役者の足枷になるような気がする。
上演〔可〕能 なれど、戯曲だけでもう「フル」なのさ。
それでも「上演される」という目的をキープしているのは、それが「戯曲」だから?

でも翻訳してまでこれを日本でやる必要があるのか。
翻訳者がどんなに誠実であったとしても微妙なニュアンスは失われているに違いないのだ。




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屋上庭園にで晒されていた子→
なんでも「インスタレーション?」とか思ってしまう癖はさすがに抜けてきたけど…。なんじゃこりゃ。
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by uronna | 2009-05-27 01:28 | 舞台のおはなし

『アフリカ映画デーIn横浜』


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思い立って、アフリカ映画を観にランドマークへ行ってきた。

今回はいろいろ上演されるらしかったのだが、時間の都合で『傑作短編集』だけを観ることに。

一作目はルワンダのジェノサイド後を扱った『わたしたちみんなルワンダ人』

学校に乗り込んできたテロリスト達に銃口を向けられてフツ、ツチにわかれろと言われた中学生達は「わたしたちはみんなルワンダ人だもの」と言う。内戦後に人々の心を一つにしようと生徒に平和を説いていた先生の授業の薫陶が皮肉にも彼らの命を奪うことになる…。

Upのミュージカルの題材にされそうな話。テーマ的に「面白い」とは言い難い内容であるが、ルワンダという国で起きたジェノサイドについてもっと知りたいと思ったのは事実。「アルメニア侵攻」「ナチスのホロコースト」と並んで20世紀最大の虐殺に数えられるこの国の悲劇について、私たちはあまりに無知すぎる。

事実をもとにしたドキュメンタリーということで、出演者達はプロの俳優?なのだろうけれど、とても演技が上手だった。音楽と音響も非常に印象的で、バスケットボールのドリブルと、ジャンベのリズムがシンクロしていく演出は上手いと思った。暗い話なので、開放的に響くアフリカの打楽器音楽が終始救いになっていた。


☆☆☆

二作目は、イソップ童話を現代化した『市場は遠かった』(もとの話は「ろばをかついだ親子」。)

これは純粋に笑える。
ろばを売りに市場へ急ぐ親子の前に、三回『助言者』たちが現われる。
一度目は、プリースト。
二度目は、商人。
三度目は、イタリア人のボランティア。

みんなそれぞれの主観でものを言うのがミソ。
親子が川で彼らの助言を洗い流すように禊いでいるのが面白い。

この映画の一番素敵なところは、景色。
エチオピアというところはこんなに山がちで美しい草原が広がっているのか~。と、未踏の国の自然に対して尽きせぬ興味がわいてくる。


☆☆☆

三作目は『アルフォンスの自転車』

一作目の裏を返したような、明るい作品。ルワンダはジェノサイドからまだ15年。たったの15年であるが、映画で自分たちの国を知ってもらいたいという熱意が見える。
自転車が高価なものであるこの国で、自転車にラジオをつける、というシンプルな試み。お客さんへのサービスのつもりだったが、今ではそれで村のヒーローになった。はにかみながら、改造の方法を説明する若者の顔は輝いていてまぶしい。
キックボードのような木製の自転車ででこぼこの道を競うように走っていく若者達の姿が印象的。
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by uronna | 2009-05-24 23:07 | 劇評、書評、映画評

岩本院


GWまっただなか。
混雑真っ只中の江ノ島へ。

琵琶の奉納です。
関東でこれほど琵琶の音が似合う場所もほかにあるまいて。

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懐かしい景色。

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弁天小僧発見!

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最後は『えのすい』で締め。
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by uronna | 2009-05-03 12:12 | その他のおしゃべり

復活。


by kawasaki Alice
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