ソラソバ学習帳

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またね、歌舞伎座。


今日であの見慣れた形の歌舞伎座とはお別れなワケですが。

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歌舞伎好きとしてはひとことだけ、残しておこうかなと思う。
(写真は二日前に銀座に出かけたときに撮ったもの)

それぞれの小屋にはかならずそこに何者かが棲んでいて、芝居を愛する人間ならば愛する小屋が必ずあって、そして並々ならぬ思いを注いでいる。歌舞伎座ともなると、それこそ歌舞伎を演じる人だけではなく、全ての演劇ファンにとって思いの詰まった劇場だったということは間違いない。

だからこそ、「終わってしまう」ことに必要以上にセンチメンタルになってしまいそうなものなのだけれど。
ここ数ヶ月のチケットの手に入らなさには正直ちょっと疑問を感じた。

確かにこの小屋で、最後の公演となると、役者も気合が入るし、そんな「特別な演目」見逃したくない気持ちはあると思う。見届ける義務がある、と言い張る人もいると思う。

けど、だからといって好きな人だけで独占していいのかな?
こんなときだからこそ、歌舞伎座を観たことが無い人へ、間口を広げなくてよかったのかな?
(もちろん、歌舞伎を支えているのは、熱烈な歌舞伎ファンなのだから、最後の数日はもうFor KABUKI Loversになるのはいいと思うんだけど。)

ちょっと悶々としました。


…で、いろいろ考えた末に私が出した結論は、(はやっ)

私達は、「新・歌舞伎座世代」ということ。

旧い歌舞伎座に思い出はあっても思い入れはなく、あるいは足を踏み入れたことすらなく、
味気ないビルのような歌舞伎座に、魂を吹き込んでいく世代。

ソフトパワー時代の私達にぴったりではなくて!?(笑)



美輪さんの芝居を見たときに思ったのだ。

人も物も、外観じゃない。

あたりまえのことだけれども。




GOOD BYE歌舞伎座。早くあたらしくなってかえってこいよーう!
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by uronna | 2010-04-30 23:39 | その他のおしゃべり

ビジテリアン大祭


GWの前半ってなぜか毎年芝居が立て込む。
意外と狙い目な日程なのかもしれない。今回も他にも二本観たいのがあったのだが、仕事の都合で見に行けず残念だった。

で、なんとか予定の合わせられた、アルレッキーノでともに奮闘した羽田さんと、その昔TPTのワークであった尾崎君が共演している芝居『ビジテリアン大祭』を見に行く。会場は昔本城さんに連れて行ってもらった新宿のBar『Poo』だった。その時もステージを見せてもらったが、とても小さな小屋だったので言われなくても一番乗りくらいのイメージで劇場にのりこむ。実際には5番目くらいでしたが。

『ビジテリアン』だが、面白いことは面白い。だが、それ以上ではなかった印象。思いっきり笑えるわけでもなく、超考えさせられるわけでもなく、泣くわけでもなく、眠るわけでもない。なんとなく中途半端な印象をうけてしまうのは、なぜ、この作品を選ばなければいけなかったのかということがよくわからないからかもしれない。

羽田さんも尾崎君もいい演技をしていたので、それは楽しめました。
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by uronna | 2010-04-30 21:00 | 劇評、書評、映画評

15 Minites Made


まどかのワークショップ以来仲良くなった演出家の黒澤世莉さん。
同年代の演出家の中では一番、話があうというか、構えずに話ができる人というか。
たぶん、やっているジャンルが違うのに考えていることが似ている、というところがポイントなのかも。
共通点は、昔バーテンダーをやっていたことですが、それは多分関係ない。

さて今回は15分の短編芝居ということで、あわててバタバタ見に行きました。
劇場に入ったら時間堂の作品が始まるところでした…セーフ…!(汗

今回の作品は『池袋から日暮里まで』だったかな。
なんと、ここに戯曲が全文掲載されています↓(期間限定)
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/51828020.html

こういうとこがこの人の面白いというか、まねできないとこなんだよなぁ…。

このあけっぴろげ感。

あけとくよ、いつでもはいってでていってね的な、人間への超下町的な信頼感。

それはほんとに戯曲にもよく出ているではないか。

こんなこと書いちゃって大丈夫!?って心配になるようなことがいっぱい書いてあってさ。
でも、大丈夫なんだよね、大丈夫にしちゃうんだよねこの人は。

すごいよ。
私にはかけません。

もともと私はこういう「リアリズム」の会話を書くのは最上級に苦手なのですが。
だって、日常会話でも「それがし」とか言っちゃう人間が、書けるもんですか。
(言いませんけど ↑)


まぁ、そんな時間堂さんの作品はですね、(前置きなげえなぁ)

これを観れないなら人間やめちまえな人間愛に正面から見つめられているような居心地の悪さを多少感じながら(それはおまえの心が汚いからさ、とさらに自分を貶めておく)、たった15分の間に二回くらい心を動かされてしまうのですね。

まあ、欲を言えばやっぱり演出家が出ていないほうがいいかな。
俳優としての世莉さんがわるいということではなく、戯曲書いて、演出して、出演するのはこの形態の作品だとあまりにもべたっとしてしまうのではないかと思ったわけです。
そこもリアリズムとスーパーナチュラルな芝居の境界なのかもしれません。

余談ですが、この日はアフタートークに世莉さんが登場したのですが、
この日の演目の中で一番面白かった。
(断定してしまっては失礼かな、二団体見逃しているわけだしね…^^;すみません)
やっぱ演出家は口から生まれてきたようなひとがなるべきなんだろうなぁ。
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by uronna | 2010-04-29 22:49 | 劇評、書評、映画評

銀座にてのモノローグ


私はそんなに銀座というまちが好きではない。
a0015614_13375920.jpg歌舞伎座があるのでたまに行くくらいで、「自分の町」ではないと思っている。
(ではどこが自分の町なのかと問われると、それは年代によって変わるけれど。小学生の頃は吉祥寺で、中学生の頃は原宿、高校生のときは渋谷、大学はもっぱら恵比寿~六本木。二度目の大学では下北沢。今は横浜ですな。…どうでもいいか。笑)

でも、一日に素敵な催しが二回もあるならば、それはやはり足を向けるというもの。
一つ目は叔父の個展。松屋銀座7階画廊にて。

今年の作品は更に光と影のコントラストが強いものが多かった気がする。スケッチとは、たんなる写生ではない。空間を切り取るのは人間の心なのだから。

この大胆な省略の手法、お手本にしたいと思った。


さて松屋をあとにして、向かう先はといえば、、、
ル・テアトル銀座である。

お目当ては、美輪さんの 『卒塔婆小町』『葵上』

a0015614_13523392.jpg今見なければいけない作品が人それぞれはあって、それが私にとってはこの作品なのだという、根拠も無い確信に導かれてやってきた。未見だったの?といわれてしまいそうだが、そうなのだ。

演目については今更なにも語ることはないけれども、客層と演出と俳優については語るべきことが沢山だ。『葵』の六条康子はまだいいとして、『卒塔婆』の小町のあの役をひきつけてしまう感は何なのだろう。役柄のほうが進んで美輪明宏にすり寄っていく、という以外に言葉がない。この演目を何度もやったことがあるからこそわかる、これは長い年月をかけて作家の妄執の容れ物を俳優の身体が用意した稀有な例だ。

そして、光役と詩人役をつとめる男優については、乱暴な言い方をするならば美輪さんが気に入った個人ならば誰でもよいのだ。あれ以上でもあれ以下でもいけないのだろう。

客席は、「オーラ」とか「スピリチュアル」とかいう言葉がそこらじゅうからもれ聞こえてくる、わたしが普段あまりお隣に座ることがないような方々で溢れていたのだけれども。
最後に座席から立ち上がって、美輪さんに手を振るその心境は全然理解できてしまう。

主演俳優の心の美しさとピュアさがこれほどまでに観客席を席捲する舞台は観たことが無い。

10000円OVERの席料をまったく惜しくないと思わせてくれるこのスター性と完成度。
泣けるぜ。

歌舞伎座はあと三日。a0015614_1423415.jpg
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by uronna | 2010-04-28 23:37 | 劇評、書評、映画評

『四谷怪談忠臣蔵』


今月は、歌舞伎座さよなら公演ということで、あちらのほうはすごいことになっているようなのだけれども。

演舞場でも面白いものやってますよ、と批評家のTさんに薦めていただいて、足を運んできた。

猿之助一座による『四谷怪談忠臣蔵』。
私、とくに猿之助さんのファンではないのですが、演舞場で見る演目はいつも猿之助作品のような気がします。(実際は他にも見ているんだろうケド)

さて、四谷怪談と忠臣蔵が表裏一体の話であるということは、ちょっと演劇に詳しい人ならば誰でも知っていることだと思うけれども。それを一緒にやっちゃうよ、という試みはあんた、欲張りすぎやしないかねw。

文政八年、『東海道四谷怪談』初演時には、『忠臣蔵』の六段目までと、『四谷』の三段目までを一日目にやり、二日目にそれ以降と最後の討ち入りの場面で大団円、という構成でやっていたという。
それも昼から夜までずーっとやって、二日かかるわけです。

それを半日でってw。

でも、この形態ですでに2003年に初演して、好評をえているそうな。


幕があがると、まず市川右近の口上。
上に書いたようなことをつらつらーっと喋ってくれる。要約すると、「相当むりやりつめこんでいるので話がわかりづらいかもしれないが、そのぶん楽しませるんでよろしくぅ!」みたいな。

その市川右近、今回はなんと4役。
こりゃあ、さすがに筋書買わないとよくわからない。(だいたいご招待いただいた公演はパンフなどを買うように心がけていますが。)で、整理してみると直助権兵衛、天川屋義平、暁星五郎、新田義貞の霊。だいたい、新田義貞の霊とかほんとうに必要なのか、と思ってしまうのだが、、、複雑に入り組んだ人間関係は南北戯作の真骨頂だからよしとしましょう…。
だいたいお家が取り潰しになって、家臣が路頭に迷って、岩と袖の父親は物乞いになるわ、岩は夜鷹になって筵を片手に出てくるわ、袖は地獄宿で売春するわ、そこに夫の与茂七がきて知らずに女房を買うわ、今思えば大映ドラマも真っ青なドロドロのどん底ストーリー、直助が思い続けた袖は結局自分の妹、とか、やっぱりいつの時代もお客が一番喜ぶネタは同性愛か近親相姦なのだよ。

まぁ、物語の方は知っている人にはつまらないので深入りしないで、

演出も面白く、四時半~九時までしっかり楽しめました。

結局お客さんが一番もりあがるのは、中盤暁星五郎の宙のりシーンと、最終局の大滝の場。
宙のりはまー、こんなもんでしょ、という感もあったが、滝のシーンはすごいぞ。なにがすごいって、使用する水の量が。(笑)
これを観ていると、いままでのシーンがどうでもよくみえてきてしまうのは私だけだろうか?


確かにカタルシスはあるよ。
水しぶきが飛ぶので、マイナスイオンで癒し効果も!?

これも歌舞伎の一面であることは間違いない。必ずお客を楽しませる、日本屈指のエンタテイメント!
いや、そうでなければいけないのかもな。


本家歌舞伎座でしんみりと、役者の妙技をあますところなく堪能するための芝居をやっているのだから、
こっちはいっちょド派手に景気をつけて、ということなのかもしれない。

だいたい、歌舞伎座はチケットが高騰して幕観も始発から並ぶという異常事態なのだからして、見ることができない人間にとってはこちらの存在はありがたいものだろうし。

全然劇評じゃなくてただの感想になってしまったが、これ以上書くことはない。
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by uronna | 2010-04-09 23:01 | 劇評、書評、映画評

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