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『パレルモ・パレルモ』

ピナ・バウシュを見てきました。

芸大一年生のとき以来だから、うぉ、6年ぶり?
いやー、あの頃に比べたらずいぶん自分、変わったのだろうと思います。
かつてピナバウシュを観たときは何も感じられなかった部分で、今回はずいぶんどっぷり鑑賞させてもらいました。

有名な開演シーンは、やはり圧巻のひとことにつきます。
果たしてこの壁はどっち側に落ちるのか!?いや、こっち側に落ちてきたら危ないので向こう側に落ちるに決まってるんですけどね。それでも、自分が想像をしていたのとはずいぶん違って意外とあっけなく、それでも重厚に落ちていきました。

落ちた瓦礫の上を歩くダンサー達。
ピナ・バウシュは、ステージの上で自在に軽やかに舞えるはずのダンサー達から自由を奪うことで、『パレルモ』というまちの、ひいては人間社会全般にかならず存在している制約を無言のうちに表すことに成功した。おぼつかない足取りで瓦礫の上を歩いてくる演者たちの背後にパレルモが背負っている歴史を見る。しかしそこはシチリア。暗さはない。

ピアノ演奏のシーンでは、涙が出てきてしまいました。
なんとまあ、すごいことをやってくれるのだ、と。
電撃が走るような感動を、この二階席の後ろにまで届けてくれるスケールの大きな舞台。
期待に違わぬプロダクションだ。

しかし、昭和音大の学生かと思える売り子さんのマニュアル化された対応にはちょっぴりがっかりしてしまいましたが。せっかく「世界の…」といえる舞台をやるんだから、売り子さんにも誇りとそれなりのソフィスティケーションが欲しいと思ってしまうのは、贅沢なんだろうか。
by uronna | 2008-03-21 23:39 | 舞台のおはなし

復活。


by kawasaki Alice