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「ポーギー&ベス」

9月3日(金)

「葵上」の演出家から、「ポーギー&ベス」のチケットを頂いた。
葵チームは夜の稽古だからいけないとのことだった。ガーシュインのミュージカルということで、私もかなり興味があったのだが、なんせチケットが高い!無理だ〜。と思っていたので、非常に嬉しかった。
稽古を6時で切り上げて、渋谷のオーチャードホールに向かう。
なんとか開演時間に滑り込んだ。

しかし、チケットが高いのも頷ける。フルのオーケストラに、40人を越える役者陣。これだけのカンパニーを呼ぶのだ。一体いくらかかっているのか。そんなことを考えながらオープニングで有名なスローのナンバーがかかると、たまった疲れが吹き出て微睡みそうになる。いかんいかん!チケットを下さった方に申し訳ない。
必死でまぶたを押し上げる。批評家の気持ちが少し解った気がした。

ストーリーは、足の悪い貧乏な男ポーギーと、娼婦ベスの恋愛を軸に黒人コミュニティの生活を描いたものだ。見どころは男に翻弄されるベスの小悪魔的な魅力と、無償の愛でベスを追いかけていくポーギーの純粋な心が前面にでたナンバー。
しかしながら、観ていてもなんとなく、登場人物に共感できる部分がすくない気がした。ベス役に魅力がないのも気になる。本来なら、許されるべきでないほど主体性のない「駄目女」のベスの行為に、それでも納得させられるくらいの魅力がなければこのドラマは成立しないのではないか。
捨てられたポーギーがベスを追いかけて旅に出るハイライトのシーンでは、ガーシュインミュージックに彩られ、本来ならば観客の心に激しい感動が巻き起こるのではないのか。今回の舞台ではその辺りがまったく成立しておらず、ベスはただの売女、ポーギーはそれに騙されたバカな男にしか見えなかった。

40人もの役者たちもどこか緩慢で、得意の歌を披露する時しか輝いておらず、これだけの人数が舞台の上で死んでしまっているのが残念だった。
本場ではこうではないのだろうか。評判のいい舞台だっただけに、少々残念だった。

さて、帰宅後は葵上とのつなぎの部分の曲を探しにツタヤへ。
あしたはゲネである。
さあ、もうひとがんばり。。。
by uronna | 2004-09-04 23:45 | 劇評、書評、映画評

復活。


by kawasaki Alice